スタイリスト 北村 道子さん
69歳のスタイリスト、北村道子さんをご存知でしょうか?
私が最も憧れる人です。
本当に素敵な方なので、是非色んな人に知って頂きたい方。
着る人に服の力を与え、潜在的な魅力を引き出す人。
北村道子は「スタイル」を日本で体現できる数少ない一人で、森羅万象に思いを巡らす哲学者のようでもあると言われています。
10代の頃から、カナダ、アメリカ、メキシコ、アフリカ、ヨーロッパ、ユーラシア大陸等、様々な場所を旅していた道子さん。
その後、松田優作のご指名で映画衣装を担当する事に…
松田優作と喧嘩
北村さんは著書『衣裳術』で松田優作とのエピソードを語られています。
「撮影後半、松田優作と徹底的に喧嘩になった。エンディングのシーンで、彼は白の帽子に白のスリーピースを着たいと申し出た。わたしは断った。
それは鈴木清順の映画に思えたから。
『じゃあ、おまえ一週間後にそれよりイケてる衣裳をもってこいよ!』
と言われて、『わかったわよ!』って言いつつどうしよう……と思ったそのとき、コム デ ギャルソンに辿り着いた。
前身ごろがふたつくっついているジャケットに。(中略)それを見て、松田優作は降参したの。それから松田優作との距離は縮んだ。」
どうですか?このエピソード。
松田優作をブランディングするなら、絶対こう!!というイメージが道子さんのなかにはあって、そのイメージを妥協することなく追及する。
その人の魅力を最大限に引き出すプロですよね。
こうして道子さん自身のブランディングにもなっていくのです。
独自の雰囲気がある俳優の影には....
道子さんの存在がある。
女優の菊地凛子。引き込まれる演技と独特の世界観を持つ個性派の女優さんというイメージがありますよね。
本名は菊池百合子。道子さんが初めて菊池百合子に会った時、
『あなた、百合子って感じじゃないわね。そうね、凛子にしなさい』と言ったそうです。
名前がその人の魅力を後押しする、菊池凛子という女優の誕生です。
雰囲気のあるカッコいい俳優達。
浅野 忠信・オダギリジョー・豊川 悦司・栗山 千明、UAや宇多田ヒカルも道子さんが手掛けられています。
道子さんの発想、視点は素晴らしいのですが、過去にカナダ、アメリカ、メキシコなどを旅した経験も影響しているんだと思います。
視野を広げて、固定観念を捨てる。
このようなブランディング術は、唯一無二の存在を創り上げていく上で大変参考になるのではないでしょうか?
道子さん、カッコいいですよね。
日本の宝。