VR動画の環境について、視聴も撮影も、機器回りについてはどんどん発展と低価格化が進んでいます。一方でその言葉の認知度(91%)の割には普及率は3%と「今一つ」という印象を持たれているという人が多いかもしれません。
コスト面の課題が解決されつつある現状で、ここから重要となるのはやはり提供されるコンテンツの充実具合になるでしょう。
さまざまな人々に対して普遍的な価値を持つ映像コンテンツとなると、ニュース映像が想定されます。
かつての映写機もニュース映画の登場により、魅力的な娯楽(want)から詳細な最新情報(needs)を得られるものとして広く普及することになりました。
当然、各通信社もVRニュースは発信しているのですが、全てのニュースがVR化するというわけではなく、そのために作られた、VR映像といった感がぬぐえません。
参考:NHKVRニュース
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VRニュースの問題点
VRの仕様上、360度(もしくは180度)すべて映しているため、視線を動かせば視点が変わってしまいます。ニュースとして何を見せたいのか、という点がぼやけてしまいます。
臨場感と引き換えに、訴求性を失うというところでしょうか。
それだけでなく、通常の映像では映らない画面外、撮影者やスタッフも映り込んでしまうといった「映したくないものが映り込んでしまう」という問題もあります。時系列の編集はともかく、直接映像の編集ともなると負荷が大きいので、単純なトリミングで済まない点も敬遠される個所かもしれません。
もっとも、視聴者にとっては悪質なトリミングが減るという点ではメリットとも言えますが、そうまでしてメディア側が態々提供するかというところに帰結します。
個人ニュースの広まり
一方で、前述のとおり、VR撮影機器の廉価化は進んでおり、個人でもドローンによるVR空撮なども配信できるようになってきました。実際にVR映像をどんどん配信してる方々も多くいます。ニュース映像でも、現地個人の撮影した映像をTV局が使用することが増えてきており、今後さらにこの傾向は進むと思われます。マスメディアによる発信だけでなく、個々人の情報発信の広がりがVR普及の一翼を担っているといっても過言ではないでしょう。